パソコンパーツ・CPU選びのポイント
パソコンのパーツ選びのポイント では、基本的な自作パソコンのパーツ選びのポイントについてまとめてみました。
ここでは、CPUについて、詳しく解説してみたいと思います。
CPUの性能の正体
自作パソコンの場合、選択できるCPUメーカーは、ほぼIntel,AMDに2分されます。
メーカーは、いずれかになるのは、わかるとしても、性能をどのように評価すべきでしょうか。これは、案外、難しい問題です。
以降にその難しさを、簡単に解説しておきます。
動作周波数とCPU能力
以前は、動作周波数(例えば、1GHzなどで表わされる)で、ある程度のCPUの能力を推し量ることができました。
しかし、昨今では、マルチコアの技術進歩により1CPUの中に処理エンジンを複数入れ込んで、並列処理させるようになると、単純に動作周波数では推し量ることができなくなりました。
例えば、Intel Core2 Duo と AMD Athlon64 X2 は、いずれもデュアルコア(1CPUの中に2つの処理エンジン(コア)を持ちます)が、これを動作周波数で比較することは難しいです。
なぜなら、マルチコアの技術は、各社あるいは製品毎に異なりますから、動作周波数が大きければ、必ずしも速いとも言えなくなっています。
そこで、最近では、比較するための基準が必要だということで、プロセッサナンバー(Intel)やモデルナンバー(AMD)という指標(番号)が登場しました。
プロセッサナンバーは、Intelが用いる指標(番号)で、同社のCPUを3,4桁の数字で表したものです。
最初の桁が、CPUのグレードを表し、残りが動作周波数の高さや詳細の仕様の違いを表します。つまり、基本的には、指標(番号)が大きければそれだけ性能が良いことを意味します。
また、モデルナンバーは、AMDがIntelのCPUと比較するために考案した指標(番号)で、大枠として動作周波数とキャッシュ量などから決められます。(AMDが勝手につけるものです。)
例えば、モデルナンバーが、3000+であれば、Intel のPentium4 3GHzと同等の処理能力を持っていることを表しています。
ここでの数字は、ほぼ動作周波数の意味合いに近いです。
ただ、Intelとの比較がある程度できたのは、Athlon XPのモデルナンバーぐらいまでで、以降は、どのIntel製品と比較すれば良いか、分からなくなりました。
いまでは、AMD内での製品の優劣を判断する材料としては用いられることが多いようです。
IPC(Instruction Per Cycle、1クロックあたりの命令実行数)と動作周波数との積
で求まります。(マルチコアの場合は、これほど単純に評価するのは難しいです)
ただ、このとき、IntelとAMDの性能向上の方針が若干違う方向にあったところに、このモデルナンバーの起源があります。
AMDは、上記の式のとおり、積算(総合)にて処理性能の向上を図ってきました。
しかし、Intel側は、動作周波数による向上をメインに打ち出したので、あたかも動作周波数で性能が決まるかのようなイメージを植え付けていきました。
そうなると、動作周波数だけを比較された場合に、AMDに分がないことが多く、正しくCPUの性能を評価してもらう必要があったわけです。そこで、でてきたのがモデルナンバーです。
プロセッサナンバー(Intel)は、海外サイトのhttp://www.cpu-world.com/info/Intel/processor-number.htmlが参考になると思います。
モデルナンバー(AMD)は、海外サイトのhttp://www.cpu-world.com/info/AMD/Athlon-model-number.htmlが参考になると思います。
結局、IntelとAMDの比較は何で行うべきなのでしょうか?
正確に比較することは、かなり難しくなってきています。
動作周波数、コア数、キャッシュメモリー量などの総合的な判断で行うことが必要になります。
後は、CPUベンチマークなどを参考にするのも良いかもしれません。
以下のイメージは、海外のPass Mark Inc.が公開しているデータです。
例えば、HIGH END CPUの場合、http://www.cpubenchmark.net/high_end_cpus.htmlで公開されています。
これによれば、(2010.8.4調べ)
- AMD Athlon X4 635 2,785
– Amazon.co.jp 価格 : AMD AthlonII X4 635 ADX635WFGIBOX 新品: ¥ 10,480 - Intel Xeon X3430 @ 2.40GHz 2,785
– Amazon.co.jp 価格 : Intel Xeon X3430 2.40GHz BX80605X3430 新品: ¥ 20,654
が、ベンチマーク上は、ほぼ同じレベルです。しかし、Amazon.co.jpでの価格は、倍近くします。
これだけの差は、少々、オーバーなような気がしますが、一般的には、同じレベルの性能なら、AMDが安いのは良く知られています。
※このベンチマークは、1方向からだけの目安でしかないことを理解しておく必要があります。ここで順位が低いからといって必ずしも、すべての操作が遅いとは限らないことが難しいところです。
CPU選びのポイント
先の内容から、性能の比較が、難しいのがわかりますね。
では、何を基準に選べばよいのか・・・・と悩みますよね。とりあえず、私の場合、価格とコア数、キャッシュメモリ量である程度を決めて、あとは好みで決めてしまいます。
そのあたりを簡単にまとめてみました。
目的 | 価格帯 | コア数 | キャッシュ | 備考 |
自作パソコンを作ってみたい・安価なパソコンの場合 | ¥3,000前後を目安にしましょう。 | 1コア以上が望ましいです。 | 1コアあたり512KB以上 | 型落ちやセール品を狙いましょう。 |
ネットサーフィン・文書作成などの一般的な用途の場合 | ¥5,000前後を目安にしましょう。 | 2コア以上が望ましいです。 | 1コアあたり512KB以上 | 後でCPUのアップデートできるようになるべく新し目のソケット規格を選びましょう |
ゲーム・動画用途の場合 | ¥8,000以上を目安にしましょう。 | 4コア以上が望ましいです。 | 1コアあたり1MB以上 | キャッシュを有効利用するCPUを選びましょう |
サーバー用途の場合 | ¥10,000以上を目安にしましょう。 | 4コア以上が望ましいです。 | 1コアあたり512MB以上 | 安定を優先しましょう。最新でなくアップデートを重ねているCPUが狙い目です |
人気ランキングは、案外、的を外していません。リーズナブルな割に高機能なCPUがやっぱり上位に食い込みますね。もちろん、最新のCPUも上位へ表示されていますけど。
一度、チェックを!!
ソケット形状にもいろいろあります。
このソケット形状によって、マザーボードは、ある程度、絞られますし、CPUのアップデートも限られてきます。
ソケット形状(規格) | 対象CPU |
LGA1366 (Socket | Intel Core i7 |
LGA1156 (Socket H) | Intel Core i7 800 番台(Lynnfield), Intel Core i5 700/600番台(Lynnfield/Clarkdale), Intel Core i3 500 番台(Clarkdale), Intel Pentium G 6000 番台(Clarkdale), Intel Celeron Dual-Core Clarkdale |
LGA775 (Socket T) | Intel Pentium 4 505J, 506, 520-570, 520J-570J, 521-571(Prescott), Intel Pentium 4 630-670, 662-672(Prescott), Intel Pentium 4 631-661(Cedar Mill), Intel Celeron D 325J-345J, 326-351(Prescott), Intel Pentium 4 Extreme Edition 3724MHz(Prescott), Intel Pentium 4 Extreme Edition 3400/3466MHz(Gallatin), Intel Pentium D 805, 820-840(Smithfield), Intel Pentium Extreme Edition 840(Smithfield), Intel Pentium D 915, 925, 920-960(Presler), Intel Pentium Extreme Edition 950/960(Presler), Intel Core 2 Duo E4300-4400, E63X0-67X0, E72X0-86X0(Conroe), Intel Pentium Dual-Core E21X0-22X0(Conroe), Intel Celeron Dual-Core E1X00(Conroe), Intel Core 2 Extreme, X6800(Conroe), Intel Core 2 Quad, Q6X00(Kentsfield), Intel Core 2 Extreme, QX6XX0(Kentsfield), Intel Core 2 Duo E72X0-86X0(Wolfdale), Intel Pentium Dual-Core E5X00-6X00(Wolfdale), Intel Celeron Dual-Core E3X00(Wolfdale), Intel Core 2 Quad, Q8XX0, Q9XX0(Yorkfield), Intel Core 2 Extreme, QX9650, QX9770(Yorkfield) |
Socket479 | Intel PentiumM, Intel Core2 Duoモバイル用 |
Socket 478 | Intel Pentium 4 (1.4~3.4GHz), Intel Celeron (1.7~2.8GHz), Intel Celeron D (2.13~3.2GHz), Intel Pentium 4 Extreme Edition (3.2,3.4GHz) |
Socket AM3 | AMD Phenom II, AMD Athlon II |
Socket AM2+ | AMD Athlon X2, AMD Athlon FX,Sempron |
Socket AM2 | AMD Athlon X2, AMD Athlon FX,Sempron |
Socket F | AMD Opteron |
Socket 940 | AMD Opteron, 旧型AMD Athlon FX |
Socket 939 | Athlon, Athlon FX, Athlon X2, Sempron, Opteron |
Socket 754 | Athlon 64 , Sempron |
Socket A (Socket 462) | AMD Athlon (650~1400MHz), AMD Athlon XP (1500+~3200+), AMD Duron (600~1800MHz), AMD Sempron (2000+~3300+), AMD Athlon MP (1000MHz~3000+), AMD Geode NX (667~2200MHz) |